デンマーク・オーストリア旅行記3 アマー博物館 Amager

2013年08月26日 21:42

デンマークとオーストリアへ行ってきました。
手芸、刺繍、テキスタイルを中心に旅行記を書いています。


前回のドラオア博物館に続いて、
ストーア・マウレビュー Store Magleby にあるアマー博物館へ行きました。

アマー博物館 Amager Museet では、
16世紀にオランダからデンマーク・アマー島に移住し、
その後独自の生活スタイルを保持していたアマーの人々の暮らしを見ることができます。

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のんびりとした村の、のんびりとした博物館。
しかし、デンマークの国際空港カストラップがすぐ隣にあり、
飛行機の轟音が響きます。なんとも複雑な気分。

農業、酪農のスペシャリストとしてコペンハーゲンに農産物を供給していたアマーの人々。
博物館にも菜園があり、ニワトリやヤギ、ウサギなどが飼われています。

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鍛冶場があったり、機(ハタ)があったり、洗濯物が干してあったり。
青いホーローの生活用品は、その後ロスキレの博物館でも見かけました。

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こちらが(私にとって)メインの展示、アマーの民族衣装です。

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現地にて購入した本、"Amagerdragterne" (Dragør Kommune編) によると、
教会に行くとき、また、祭り、結婚式、葬式など場面によって装いは違い、
既婚者、未婚者でも異なっていたとのこと。
右から2番目の男性の帽子は floshat と呼ばれるもので、ラクダの毛でできています。
女性のスカーフには花模様の刺繍がほどこされ、
白、黒、青のプリーツのたっぷりとしたエプロンの上にも
織りや刺繍の美しいバンドをしています。


民族衣装を着たビスクドール。
そのエプロンのすそにもアマー縫い amagersyninger がほどこされ、
エプロンバンドにも、パンジーの刺繍などがあしらわれ、
ほんっっと可愛かった。

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帰り際、博物館の方に、すばらしい衣装だったと言ったところ、
「アマーの人たちは、私たちデンマーク人に比べてずっと豊かだったので、
家での時間もたっぷりあり、自ら美しい衣装を仕立てることができた」
とのことでした。

アマーのオランダ村は、土地の所有や税制面でも優遇されていたそうですから、
生粋のデンマーク人の思いに複雑なものはあっただろうと思います。


つづく~





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デンマーク・オーストリア旅行記2 ドラオア博物館 Dragor

2013年08月23日 18:16

前回の記事で書きましたとおり、
夏休みにデンマークとオーストリアへ行ってきました。

観光スポットにもたくさん行きましたが、そのご紹介は他の方に譲るとして
手芸、刺繍、テキスタイルを中心に旅行記を書きたいと思います。

まずはデンマークから。


到着した次の日は朝から大粒の雨で、
「こんなんで人魚姫のところまで行ったらびっしょりになる」と心配しましたが
降ったりやんだりの様子、電車に乗ってでかけました。

人魚姫の像を見、カステレット要塞の緑の中を歩いていると
かたつむり! 雨が上がった道に、何匹も這い出しています。

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雨が降ってもすぐにやむためか、デンマークの人は傘をさしていません。
少し歩いてアメリエンボー宮殿周辺ではこの青空です。

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コペンハーゲン市内を回って、午後はアマー島へ移動しました。
アマー島は、コペンハーゲンの中心街があるシェラン島に隣接する島で
目指すドラオア Dragør の街まではバスで30分ほど。

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黄色い壁の家々が立ち並び、漁船が泊まっています。

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先日書いたように、ここドラオアには、ストーア・マウレビュー Store Magleby と同様、
オランダから移住してきた農民の刺繍、Amagersyninger アマー刺繍(アマー縫い)が残っています。

ドラオア博物館 Dragør Museum に入ると、ダイバーの特別展とともに
奥にひっそりとテキスタイルの引き出しがありました。
クロスステッチ、カットワーク、ドロンワークの数々。

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写真は赤ちゃんのよだれかけです。
麻布に、黒い絹糸でびっしりと刺した動物や鳥の模様、
その周りをレースの効果を出す白糸刺繍で囲んでいます。

このほかにも色糸でロングアームドクロスステッチをほどこした花婿の財布や
イタリアのレティチェラを思わせる刺繍をほどこした女性用の帽子など
刺繍の材料も技法もさまざまありました。


博物館の女性に、生まれたての赤ちゃんには青みがかった黒の生地を使うと聞きました。
彼女は、自分のお孫さんのためにアマー島の民族衣装を仕立ててあげたそうで、
袖にはガチョウや星、ハートの模様を編みこんだとか。
どんなにかきれいでしょう。

一番奥には船長さんだった人の部屋もあり、
厚い織りのカーテンがひかれたベッドには、
見事な刺繍の枕カバーとシーツが見えるように飾られていました。

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つづく~

デンマーク アマー島の刺繍 Amagersyninger

2013年08月14日 04:50

以前にもご紹介したデンマークの地方に伝わる刺繍、アマー刺繍。
デンマーク語の資料を読んでいます。


1520年ごろ、デンマークの王、クリスチャン2世によって
オランダからデンマークに農民が呼び寄せられました。
彼らは野菜や乳製品づくりのスペシャリストとしてアマー島に村をつくり、
オランダ文化に基づいた独自の文化を発展させます。

アマー刺繍 Amagersyninger もその1つで、
黒糸で刺すロングアームドクロスステッチの刺繍と、
白糸刺繍との組み合わせが美しいみごとな手仕事です。


資料には、もともとの集落があったストーア・マウレビュー Store Magleby 周辺で人口が増え
新たな土地と仕事を求めて、同じアマー島のドラオア Dragør に移った人たちもいる、
とありました。


以前、エスカ(箱)にしたリスの刺繍も、
アマー刺繍にインスピレーションを得て私がつくった図案です。

同じ図案を麻布に刺してドイリーにも仕立てました。

リス

リスと王冠とハートとお日さまと、
可愛いもの、いろいろ詰め込んであります。

デンマーク アマー刺繍 

2011年10月28日 07:26

夏に以下の本から刺したデンマークのクロスステッチ。

「クラシック クロス・ステッチ」
 ゲアティ・ヴァンネル著
 1977年 雄鶏社


デンマークのアマー島のデザインだとご紹介しました。

でもね、アマー刺繍(Amager work)というと
民族衣装のスカーフなどを飾る、
色とりどりの花の華やかな刺しゅうがよく出てきます。


うーーん、じゃ、この単色のカウントステッチはどう使われたのか、、、
が気になって調べてみたところ、
デンマークの出版社Gyldendalのオンライン百科事典に
写真と説明が載っているのを発見。リンクしておきます。

DEN STORE DANSKE
Gyldendals åbne encyklopædi

"amagersyning"の項


amagersyninger は、直訳すると「アマー縫い」。
オランダからデンマークに移住してきた人々により広まった技法で、
亜麻や絹糸で衣類や寝具を飾りました。

上の百科事典には、
1700年代初めに始まったamagersyningは
もともと白地に白糸刺繍をほどこしていたが、
1700年代半ばには黒や藍色の色糸が使われるようになった、
とあります。

白糸のドローンワーク&黒糸のカウントステッチ
の組み合わせ、なんかだったのですねぇ。



ちなみに、黒糸と言いながら茶色い糸なのは
使用しているうちに変色したからだそうです。
当時は天然染料ですものね。




デンマークのクロスステッチ 2

2011年08月22日 00:42

図書館で借りた刺しゅうの本より、
デンマークの古いクロスステッチのデザイン、
2つめを刺しました。

「クラシック クロス・ステッチ」
 ゲアティ・ヴァンネル著
 1977年 雄鶏社



Amager(アマー)島のデザインを選んで刺してみました。
ライオン、オウム、人魚などが茶一色で、左右非対称に描かれています。

Amager島のクロスステッチのデザインは
16世紀にオランダから移住してきた農民によって伝わり
その子孫により受け継がれたもので、
デンマークの他の地方に伝わるデザインとは趣が異なります。



100種類もの図案の中から選んで刺してみたのに、
また、ライオンだ。

私、ライオンが好きなのかしら?




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